クローズアップ企業(2022年度版) 飛騨市森林組合

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HIDASHI SHINRIN KUMIAI

飛騨市森林組合

今の職に就いたキッカケ

 樹木に関する仕事に興味があり、高校で園芸科に進学したことをきっかけに林業の世界に入りました。在学中は街の中で働く庭師の道に進むか、野山に入っていく林業の道に進むか迷ったのですが、より自然を身近に感じられる林業の仕事に魅力を感じて現職につきました。
 愛知県の出身で、どちらかといえば海を身近に感じて育ってきたので、飛騨に来て山に囲まれた生活が新鮮で、毎日楽しく過ごしています。

お仕事の内容は?

 今日の現場は、事前に木を切り出した山に入って、次の植林をするための「地ならし」の作業です。落ちている太い枝などを避けて、植林の際に作業をしやすいように山を整える作業です。普段は、JR沿線の線路脇で、木を切ったり、草を刈って整える作業に従事しています。
 林業の仕事はチーム制で、班が変わると仕事内容も変わります。チェーンソーや、重機を使って木を切り出す仕事や、山に木を植える「植林」や「保育」の仕事があります。

印象深いエピソード

 仕事道具を担いでの登山は、慣れるまで大変でした。現場は徒歩で数時間かかる場所がほとんどです。でも、そういう普段は人の入らない山奥からの眺めは格別なんです。新緑や紅葉が広がる景色を眼下に見渡した時には、信じられないくらい美しくて鳥肌がたちました。すごい雲海を見たこともあります。この仕事でしか見ることの出来ない特別な景色に出会うと、心底この仕事に就いてよかったなと喜びを感じて、疲れが吹き飛びます。

大切にしていること

 山での仕事は、簡単には引き返せないような奥地での現場が多いです。そのため、仕事で使う道具の準備にはとても気を使います。新人の頃にチェーンソーの刃を研ぐ〝目立て〟を忘れてしまって、すぐに木が切れなくなってしまい、午前中仕事にならなかった事がありました。
 僕らの仕事は、基本は一年間同じ班で活動します。もしも自分がミスをすると、班全体の責任となってしまうので、迷惑をかけないように責任感をもって仕事に向かっています。一丸となって仕事を成功させた時、やり遂げた時には達成感があります。

息抜きの方法

 釣りに出かけたり、冬はスノーボードをして過ごしています。考えてみたらプライベートでも自然の中で過ごしてますね(笑)雨の日も家でYouTubeで釣りの動画とか見ちゃうんですよね...根っから自然が好きなんだと思います。
 森林組合が所有している山が現場の時は、山菜やキノコを採って持ち帰れることがあります。一度大きな天然舞茸を見つけた時は、嬉しかったです。栗や山菜は豊富に採れるのでよく持ち帰ってます。この仕事の役得ですね!

学生へのメッセージ

 部活動の上下関係や、仲間との連帯感は、社会に出ても役立ちます。学生時代に、社会にでてからのことを考えるのは難しいと思いますが、培った努力や、コミュニケーション能力が社会に出ても役立ちますので、好きなことはサボらず一生懸命取り組んでみてください!
 林業の現場は働き盛りの若い世代の人がたくさんいて活気があふれてます。仲間と一丸になって仕事をやり遂げる達成感を味わいたいなら、是非、一度林業の現場を見にきてください! 一緒に頑張りましょう!

※ 同記事は3名の方への取材内容を集約して作成したものです。