2020.04.01

飛騨の薬草を学ぶ教養講座 「ウワバミソウ」【広報ひだ2019年8月号掲載】

我が家では例年この時期になるとウワバミソウが食卓に並びます。ミズナと言った方がわかるかもしれませんね。山菜のイメージがありますが、立派な薬草です。

ウワバミソウは山地の水気の多い場所に群生していることが多く、一度その場所がわかれば毎年まとめて採取することができます。年中食べられますが、春から夏が美味しいです。

葉は濃い緑色で茎は緑の中に赤みを帯びています。この茎に赤みがあるというのは栄養分を十分に吸収して元気に育っている薬草に共通しています。ウワバミソウは様々なミネラルを含んでおり、それにより代謝が活発になることで下痢を止め、浮腫を治し、腎臓機能を高め、肝臓の機能も強めてくれます。自然薯等のとろみ成分は体に良いと言われますが、ウワバミソウもとろみがあります。

食べ方は、葉っぱを取り除いた茎を熱湯で茹でて色が鮮やかな緑に変わったら引き上げて使います。ショウガ醤油や三杯酢も美味しいですし、キンピラにしてゴマをまぶして食べるのが香ばしさと旨みたっぷりで美味しくおススメです。

秋に採れるウワバミソウのムカゴは漬物にすると美味しいという話も聞きました。

ウワバミソウを一度に多く採った場合は冷凍で保存できます。葉っぱは通常食べません。食べてみると硬めなのと、味も癖があったりするので、美味しく食べるにはやはり茎がいいでしょう。葉っぱがもったいないと思うなら、他の野菜や果物とあわせてジュースにするか、焼酎漬けにしてナツメ酒など味のよいものと混ぜて飲んでみてもいいですね。

暑さや湿気で体が疲れるこれからの時期、ミネラル豊富なウワバミソウを活用してみてはいかがでしょうか。

村上光太郎「薬草を食べる」より

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