2020.04.01

飛騨の薬草を学ぶ教養講座 「リュウガン」【広報ひだ2020年3月号掲載】

飛騨市と台湾の新港郷(しんかんごう)は25年余の民間交流を経て、2017年に友好都市提携を締結しています。

その新港郷が所属する嘉義県(かぎけん)には台湾でも有名な薬草があります。今回は薬草番外編をお知らせします。それがリュウガンです。

リュウガンは台湾、中国南部、インド、沖縄の一部などにあり、5〜10mの高さに育ち、夏に2cm程度の丸い茶褐色の実を多数付ける常緑高木です。使用するのは実で、生の実はライチのような食感です。 生食の他、大変な手間をかけていぶしても使います。それは龍眼肉などと呼ばれ、生薬になっています。

リュウガンはブドウ糖、コリン、ビタミン類、鉄・カルシウム・リン・銅などミネラル分含めて栄養分が豊富です。心と体を補い補血、滋養強壮効果があるとされ、沈静、疲労、不眠、貧血、病後、産後の肥立ち、免疫強化、健忘症に効くと言われています。効能はナツメと似ていますね。

いぶしたリュウガンは長期保存が可能で、手元にあるものは数年経ってもカビません。 長期間食べ続けて健康になるための先人の知恵です。購入はインターネット等でできます。

食べ方は、殻がある場合は破って中の身だけ種を残して食べますが、最初から実だけにしてあるものを使うと楽でしょう。実はそのまま食べても甘くて美味しいですし、ドライフルーツの様に使ってもいいでしょう。 食べすぎると鼻血が出るという俗説もあるくらいに心と体に元気を与えてくれます。

こんな素晴らしいリュウガン、もし売ってあるのを見つけたらぜひ試してください。

春本番はもうすぐ。飛騨に暮らすメリットの一つ、薬草生活が今年も本格スタートです。

村上光太郎「漢方薬の実際知識」より

知る

share

PREV

2020.04.01
飛騨の薬草を学ぶ教養講座 「ノビル」【広報ひだ2020年2月号掲載】

2020.04.01
飛騨の薬草を学ぶ教養講座 「イタドリ」【広報ひだ2020年4月号掲載】

NEXT