2020.04.01

飛騨の薬草を学ぶ教養講座 「カキ」【広報ひだ2019年6月号掲載】

日に日に緑が濃くなってきましたね。これから夏に向けて紫外線など肌の健康が気になる時期になってきました。

肌の健康を考えるにはビタミンCを十分に取ることも大切です。そんな時にいい薬草がカキの葉です。取り立てのカキの葉を噛んでみると酸っぱみがあります。それもそのはず、カキの葉100gにはなんとレモン13〜15個分ものビタミンCが含まれています。

カキの葉は、長期間使うためには乾燥させて保存し、お茶にするのがいいのですが、カキの葉は枝から切り離した瞬間から、酵素の働きでビタミンCが急激に減り始めます。取ったばかりでツヤツヤして広がっていた葉っぱがみるみる内側に巻き始め元気がなくなります。早くしないとビタミンCはほとんど無くなってしまうのです。それは熱湯に2分くぐらせると減少を止めることができます。多くのビタミンCを残すためにはあらかじめ湯を沸かしておくなど、採取後の素早い作業がポイントです。

また、9月になるとビタミンCが減少しタンニンが増えるのでそれ前に取るようにしましょう。

カキの葉茶は程よい酸味のあるお茶で、飲むことで動脈硬化や眼底出血を改善し、アレルギーを抑制しアトピーを改善するなどの優れた効果がある実験結果が出ています。もちろん美肌効果も高いので、夏の肌対策に効果が期待できます。ビタミンCの働きで便も柔らかくなるので便秘対策にもなります。

ビタミンCは水溶性で摂りすぎる心配がありません。カキの葉をたくさんストックして夏の日差し対策を万全にしましょう。

村上光太郎「薬草を食べる」より

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