資金繰り表のすすめ

下記の内容は、316日に私が自分のfacebookやブログで投稿した記事です。

今からでも飛騨市の多くの事業者さんに知ってほしいのでこの場で改めて紹介させていただきます。

「資金繰り表」の良さは、作った本人が安心して事業に取り組んでいけることです。私は会計の専門家ではないですが、お金に対する安心感があることが、事業に取り組むエネルギーになることは知っています。だから「経営戦略」の相談をする際も、まずは会計、お金の話から始めます。

「休業協力金」や「持続化補助金」の対象となったことで、当面の資金繰りについては一息ついた方もあるかと思いますが、そのお金がいつ頃入ってきて、いつまで事業継続可能なのか、見えるようにしておくことが、安心して事業に取り組むことに繋がると思います。

作成の仕方が分からなければ、「ひだサポ」で作成のお手伝いもさせていただきます。資金繰り表を作ることで、お金のことを気にしないで、安心して経営が続けられる状況を作りましょう。

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私自身が、経営コンサルタントの一人として、これからの経営に不安を抱えている事業者の方にまずやってほしいと思っていることは、「資金繰り表」を作ることです。

小規模事業者で「資金繰り表」を作っている割合は、「10%くらい」ではないかと言われています。「資金繰り表」を持ってない事業者さんが、金融機関からお金を借りても、その金額でいつまで持つのかが把握できないままになってしまいます。

その結果、お金は借りたものの、不安が尽きないという結果になってしまうのではないかと思います。

私としては、次のステップをお勧めします。

1.資金繰り表から、今の売上状況でどこまで資金が持つ確認してもらう。

(資金繰り表がなければ作ることから始める)

2.そのうえで融資が必要な方には、いくら借入れるか金額を確定させる。

3.現状できることで、及び、ウイルスの流行が終わった時に向けて何をするかを考える。

4.こうしたことを「事業計画書」として文章にまとめて、金融機関と交渉する。

こうした相談は、全国の商工会や商工会議所をはじめ、様々な中小企業支援機関でもい手伝ってくれることと思います。

私は普段講師をしている「経営セミナー」や「創業セミナー」でも、「資金繰り表の作り方」を教えることが多いのですが、その時の資料をもとに、今回の新型コロナウイルスの影響で起こり得る資金繰りの流れをExcelで作ってみました。

(ここでは見やすいように画像データを載せています)

基本的には、個人事業の青色申告決算書の「損益計算書」の内容をイメージしています。

数字は分かりやすいように簡単にしていますし、特にモデルの業種、事業者があるわけではありません。

収入は減っても支出は変わらないなど、少し大げさにしているところがありますが、事業者さんに自分事としてイメージしてほしいと思い作成しています。

1.記載例(1枚目)

前期から繰越額が「10,000円」あり、 毎月、同じ売上があり、毎月同じ、経費、借入金返済、生活費が出ていくのであれば、こういった流れで推移します。

単月で500円収入のが上回っているので、減価償却資産など大きな出費がなければ、毎年6,000円内部留保があります。

2.コロナ影響パターン1(2枚目)

前期から繰越額が「10,000円」あり、今年2月~7月までコロナウイルスの影響で売上が減少した場合で、毎月同じ、経費、借入金返済、生活費が出ていくのであれば、こういった流れで推移します。

毎月の繰越金額が減っていきますが、前期からの繰り越しが10,000円あったおかげで、年度末には元に戻ります。

3.コロナ影響パターン2(3枚目)

前期から繰越額が「1,000円」しかなく、今年2月~7月までコロナウイルスの影響で売上が減少した場合で、

毎月同じ、経費、借入金返済、生活費が出ていくのであれば、こういった流れで推移します。4月以降は資金不足になります。

もちろん売上アップの取り組みも、経費削減の取り組みなど何か対応策は取らないといけませんが、まずは3月中に当面の経営を維持するための資金を確保する必要があります。

この状況で推移するのが確かであれば、単純には1,500円必要になります。

各事業所の体力として、いくら繰越金があったかで、持ちこたえられるか、そうでないかが異なります。

4.記入シート(4枚目)

こういう状況を自分の事業で考えていただき、現状の資金繰りを把握するための必要項目を洗い出し、現在の状況(13月)と今後の予想を書き入れてもらい、今後の見通しを立ててもらうというのが出発点だと思います。

今回の新型コロナウイルスの影響で、資金繰りに不安や心配を抱えている方には、金融機関でお金を借りる前にこういった現状把握をしてほしい思っていますし、中小企業支援機関の方には、借りる前に、ここを一緒に考えてあげてほしいと思います。

「資金繰り表」は、把握する項目や数字の拾い方さえ分かれば、家計簿や小遣い帳と一緒で、足し算と引き算しか出てこないので、多くの方にとって難しくないと思います。

参考に私が作成した「資金繰り表(Excel)」のデータは添付しましたが、実際にはフリーでダウンロードできるソフトもいっぱい出ていますし、各事業者さんの実態に合わせて、把握しやすいように加工していただければと思います。

資金繰り表案(下記のエクセルデータをダウンロードしてください)

200313【シスト 伊藤慎悟】資金繰り表作成案.xlsx

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