2020.12.16 新着情報

飛騨の薬草を学ぶ教養講座 「ナンテン」【広報ひだ2020年12月号掲載】

秋が深まるにつれ、野山の景色も黄色やオレンジが増えて緑色が少なくなってきました。薬草としては1年の終盤に差し掛かってきました。

これから雪が降ってもナンテンの鮮やかな赤い実を見つけることができます。のど飴の名称などでも有名なナンテン、ナンテンの赤い実は咳を止めて熱を下げ、体を健康にする働きがあります。

実を乾燥させておいてそれを煎じて飲むことを続けるとさまざまな炎症を抑えてくれます。喘息や百日咳、疲れ目や視力減退、酒の毒にも効果があります。黒豆を加えると効果がアップします。飲むときにハチミツやレモン汁を加えると飲みやすくなりますよ。

ナンテンと言えば赤い実が浮かびますが白い実もあります。どちらも効果に差はありません。見つけたら採取し乾燥して保存しましょう。乾燥しているような感じのナンテンの実ですが、大丈夫だろうと採ったまま放置していると黒く変色したりカビてしまいます。速やかに乾燥しましょう。

試しにホワイトリカーに漬けてみましたが、赤い実だったのにでき上がったものは結構濃い茶色になりました。飲んでみると苦味とわずかなえぐみが感じられます。さまざまなミネラル分がこれらの効果を発揮するのでしょうね。

ナンテンの実は10月頃から3月頃までみることができますが、冬場に餌がない鳥たちが見つけるとあっという間に食べてしまいます。採ることができるナンテンの実があるなら、鳥たちと早いもの勝ちの競争です。

ナンテンの葉にもさまざまな効果があります。煎じた液は扁桃腺、口内炎、喉の痛み、口臭など口の中のトラブルを解消してくれます。意外な活用として、魚を煮るときにナンテンの生葉を少し入れると持ちがよくなるそうです。

風邪のはやるこれからの時期、ナンテンの効果を期待したいですね。

村上光太郎「薬草を食べる」より

※ひだ森のめぐみでは、薬草の乾燥・粉末加工サービスを始めました。これを機会にぜひご利用ください。

薬草加工サービスWebページをご覧ください

【お問い合わせ先】ひだ森のめぐみ 電話:0577-73-3400

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