2021.05.18 新着情報

飛騨の薬草を学ぶ教養講座 「ユリネ」【広報ひだ2021年5月号掲載】

先日手に入った珍しい食材としてユリネをお伝えします。

ユリネは茶碗蒸しに入っているイメージで、子どもの頃は苦味や不思議な食感がどうも苦手でした。そのため、正月のおせち料理に入っていても、あえて食べようとはしなかったのが実情でした。ところがその効果を知った途端に食べたくなるからなんともゲンキンなものです。

ユリネは百合の球根部分で、生薬名では百合または百合根。そのままの漢字ですね。読み方はヒャクゴウです。食用に適した百合以外だと体に害がある場合もあるので、庭や畑に百合があるからと食べることはせず、確実に食用、薬用として販売されているものを使うようにしてください。

ユリネは収穫するのに数年かかるとも言われ、とても手間がかかる貴重な食材です。それだけじっくり時間をかけて育つだけあって栄養価も高く、効能もうれしいものです。

タンパク質が多いので滋養強壮効果や、カリウムなどミネラル分も多いので代謝もあげてくれます。また、期待できる効能としては、村上先生もよく話された「神農本草経」によると、鎮咳、去痰、気管支炎、結核など肺に関係する働きや、イライラや不眠、更年期障害など気持ちを落ち着かせる働き、利尿などがあります。

改めて食べてみるとジャガイモに似た食感があり、甘くて美味しく食べられました。それ単独ではたくさん量を食べられませんでしたが、シチューなどスープ系だとじっくり煮込むことで柔らかくなる、または溶けてしまうので意識せずに量を食べることができました。

フキノトウがフキに変わり、いよいよ薬草シーズンが本格的に始まります。たくさん野山を歩いて、薬草を採取して体に取り入れましょう。

村上光太郎「薬草を食べる」より

※ひだ森のめぐみでは、薬草の乾燥・粉末加工サービスを始めました。これを機会にぜひご利用ください。

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【お問い合わせ先】ひだ森のめぐみ 電話:0577-73-3400

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