2020.04.01

飛騨の薬草を学ぶ教養講座 「クマザサ」【広報ひだ2020年1月号掲載】

冬になると植物、更にその中から薬草を探そうと思うとかなり限られてきますね。

クマザサは年中あちこちの山で緑の葉を見ることができる生命力がとても強い薬草です。 ビタミンB1、B2、C、Kのほか、カルシウムや鉄分、カリウム、マグネシウム、亜鉛など多くのミネラル分が含まれており、それが膵臓や血管の強化につながります。 また、笹団子や富山のマスの寿司はササで包んでありますが、これはササの防腐、殺菌作用を活用しているのです。そのような強い抗菌効果があります。

効能としては、リンパ液の流れを良くし、解毒作用があり、胃弱、胃もたれ、高血圧、糖尿病に効果があります。 常時飲んでいると、虚弱体質やアレルギー体質の改善につながります。胃潰瘍、胃炎、歯槽膿漏、口内炎を改善し、口臭除去の作用があるなど様々な効果があります。

世の中にはクマザサを使ったお茶や健康食品が数多く販売されています。それらも血液関係や抗菌、殺菌、口臭除去といった効果を期待するものが多いようですね。

活用としては、葉が丈夫で加工がしにくいので、お茶にするのがいいでしょう。 乾燥葉や生葉を煎じます。目安はお湯が黄色くなるまで煮だしてください。 飲んですぐ効果を実感する場合もありますが、基本は適量を長く続けることで、体の中で代謝され、様々なミネラルの働きにより体質が改善されて健康になります。 じっくり腰を据えてはじめましょう。これは薬草全てに言えることです。 もし春先にクマザサのタケノコを見つけたら皮付きのまま焼いて、皮を取って食べてみましょう。体の痛みをとることができますし、何より美味しいですよ。

冬場でも手に入れることができる薬草をうまく取り入れて、体にミネラルを補給しましょう!

村上光太郎「薬草を食べる」より

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